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ビジョントレーニング

眼の動かし方や使い方は、誰にも教わったわけではありません。 生まれた時から生活の中で自然に学習してくるものです。そして、それぞれが勝手な使い方を身に付けています。そのため、スポーツに向いた眼の使い方に改善する余地は沢山あります。

歩き方や走り方は、見れば分かるため、より速く走るためにはどうすれば良いかなどの指導を受ける機会は多くあります。ビデオなどから自分で知ることもできます。
しかし、眼の使い方については自分で気付くことがまずありません。これを気付かせ、改善、強化することがビジョントレーニングです。

人間の眼「みる」を分析するとき、ハードウェアとソフトウェアを考える必要があります。

■ハードウェア
・光学機能---外の眼
 視力/コントラスト感度/筋肉(内眼筋・外眼筋)
 両眼視機能など
・反射反応

■ソフトウェア
・見る意識---内の眼
・身体や心とのつながり。眼・心・体・統合力
・事が起こってからの反射的反応ではなく、起こる前に感じる力。
 気がきく、気が回る、といった見方。

一般に知られているトレーニングは、ハードウェアを訓練する場合がほとんどです。そこに付随して、心も落ち着いたり集中力が出てきたりすることもありますが、ほとんどは、ハードウェアの強化を考えて行っています。

眼球運動やブロックストリング、反応テストなど、器具を使う方法は、主にハードウェアを整える目的です。
視力や両眼視機能に問題がある場合は、改善することはもちろん必要ですが、「何かができる眼」「役に立つ眼」など、実践で使える眼になるためにいは、ハードウェアの向上はほんの入り口にすぎません。

そのことを踏まえて、トレーニングに取り組むことが重要です。




まず、ハードウェアの トレーニングですが、家で簡単にできるものから専門機器を使ったものまで数多くあります。ただし、視覚機能を理解し何の強化をしているかを分かっていないと意味のないものになってしまいます。

「良い眼」になるためには、視力以外の要素も多く 、その要素には個人差があるため、 誰もが同じトレーニングにはなりません。 マニュアル通りの回数をこなすだけで良いというものでもありません。

例えば、最近ではビジョントレーニングとして眼球運動を推薦しているところも多く、視覚情報センターでも、田村式眼球運動を指導していますが、眼球運動訓練のときに、ただ眼を動かすのと、
見る気が続いているのか、頭脳や身体に意識が行き過ぎていないか、などを見極めてアドバイスできるかが、ビジョントレーナーの差になります。

心・技・体が一体となった状態であれば効果があります。
逆に、気が入っていない状態で何時間続けても、効果はあまり期待できません。

まずは、現在の眼の状態を知ることから始まりますので、専門家の測定と分析指導を受けることをお薦めします。ただ、専門家の中にも様々な考え方があり、相性もあると思います。体験してみて納得できる施設で検査やアドバイスを受けてください。



次に、重要なソフトウェアの強化についてですが、これは日頃行っているスポーツのトレーニングや日常生活の中に含まれています。その中で眼の使い方をいかに付けていくかが鍵となります。

ただ、アメリカから入ったビジョントレーニングのように、これを何回何分行えば良いというマニュアルがあるわけではありませんので、どのようなトレーニングをしたら良いか分からない、という人も多いと思います。

しかし、視覚情報センターでは、その分からない部分に大事なことがあると考えます。そして、ソフトウェアのトレーニングというより、日本文化にある「鍛錬」に近いものと考えます。躾や行儀といったものも含まれると思います。それらの中には、眼を鍛える要素が沢山あります。

現代で、科学的な分析に思えるもの (眼で言うと、動体視力や周辺視、瞬間視など)が、実は日本は自然に身に付きやすい文化だと言えます。
「畳の縁を踏まない」を例に挙げると
眼で確認してよけるのではなく、ハッキリは見えないけれど周辺で感じて見えるようになると自然な体の動きをしながら踏まないようになれる、というようなことです。

・予測 イメージ
また、スポーツの世界では、予測やイメージの重要性がよく言われます。今を見て予測をしたり、眼に映るものからのイメージがありますから、眼の能力とも言えます。そしてそれらをトレーニングする方法も存在します。そのトレーニングをきっかけに何かをつかむこともありますので、悪いものではありませんが、身体を置き忘れて頭で行ってしまう危険性もあります。

予測やイメージは、日本風に言うと「先を見て行動する」ことに似ています。昔から言われていることですが、例えば、靴や箸の向きをそろえることもその一つではないでしょうか。外観だけではなく、他の人が次の行動をしやすい準備です。

先を見るところを間違って失敗することもありますが、そこからまた学ぶことが成長につながります。


視覚情報センターの検査

ソフトウェアが重要とはいえ、やはりまずはハードウェアの検査を行って、問題がある部分は整えていく必要があります。
 車に乗るとき、タイヤの空気が抜けているのでは、運転技術が高いドライバーでも上手く走ることはできません。車体を万全にしてからドライバーの技を高めます。

その後で、ソフトウェアを含めた眼と心と身体の統合を目指します。マニュアルはありませんが、眼や体の感覚で「こういう感じだろうか」と気付いてもらえるよう、様々な方法を使いお伝えします。

・眼と体の安定
・眼の錯覚による身体の変化
・眼に映る現象へのとらわれを無くすことで見えてくるもの
などを、頭の理解ではなく実感できる方法を用いアドバイスしていきます。

こうしてやりとりを繰り返すことによって、実践で使える眼、社会に役に立つ眼を持つ人が少しでも増えることを願っています。

ビジョントレーニングについては
スポーツビジョンと武術もご一読いただければ幸いです。

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