メガネと眼の使い方・見方で 健康と能力をサポートする

東京オリンピック

7月から始まった東京オリンピック
~パラリンピックが
9月5日、幕を閉じました。

当店の代表(田村)は
2010年から2014年まで
JOC日本オリンピック委員会
「ナショナルコーチアカデミー
 医・科学サポート論」にて
講義を担当していました。

また、長年、日本代表選手候補の
眼のケアサポートを行ってきましたが
東京開催が決まった後は特に
検査やアドバイスの機会が増えました。

コーチアカデミー眼の講義を
受講された数名が
今大会の監督コーチとして参加。

関わった選手のうち9名が
今大会の日本代表に選ばれました。
  3種目でメダル獲得
  (金)1(銀)1(銅)1

パフォーマンス発揮には
身体、心、技術など多くの要素があり、
眼の影響は僅かである場合もあります。
しかし時に、大きなヒントや
気付きをもたらし、
向上の分岐点になることもあります。

引き続き、スポーツ選手をはじめ
さまざまな分野で
能力の向上を目指す方々に
「眼の使い方 見方」の観点から、
アドバイスやメガネの提案を
行っていきますので
よろしくお願いいたします。

セミナー後のご質問に対する回答

2021年12月 高校野球向けオンラインセミナー
(講師) 視覚情報センター 田村 知則

ご聴講いただいた皆様、ありがとうございました。
セミナー後に寄せられたご質問の中に、
他の方にも参考になる内容がありましたので、
回答とともに掲載させていただきます。

Q1:スマホを使う時、スマホと目の距離は
どのくらいにすればいいでしょうか? 

A1:見え方や姿勢に無理がない範囲で、
出来る限り離れた距離で見てください。
セミナー中お伝えした、見るための2種類の
筋肉は、距離が近くなればなるほど
緊張が高まり、眼や身体の疲労、
近視進行などに影響します。
手元の距離(10cm~50cm)はすべて
緊張が高まりますが、少しでも
離れたほうが良いでしょう。
そして、スマホを持つ位置ですが、
顔と正対せずにやや低い位置に持ち、
眼球を下に向けて見ることもおすすめします。
手元を見るときは眼球を下に向け
遠くを見るときは正面に眼を向け
上から下に目線を移動することで、
姿勢にも良い影響があります。

Q2:メガネとコンタクトでは
どちらが目が疲れませんか?

A2:疲れの種類や、視力矯正の度数設定次第で
一概にどちらとは言えません。
遠くがクリアに見えるように矯正しているものは、
どちらも近見時の筋肉疲労が強くなります。
近視の人の多くが、手元を見るときは
視力矯正をしない(裸眼の)ほうが
ピント合わせのストレスが減ります。
近視の度数にもよりますが、
裸眼で手元の距離に合う眼なら
近くを見るときメガネをすぐ外すことが
可能なため、疲労が少ないかもしれません。
また、メガネには両眼の向きを整える
プリズム度数を仕組むことができます。
特に手元の距離を見るときのストレスを
軽減した度数であれば疲労は少ないと言えます。
しかし、こうしたことを考慮して作る眼鏡店が
少ないため、疲労感は同等の場合が多いでしょう。

コンタクトレンズは、
メガネに抵抗がある人の精神面のストレスや、
鼻の上の重さ軽減、視野の広さという面での
良さがあり、そこから来る疲労感でしたら
メガネより疲れにくいと言えます。

どちらにも長所と欠点があります。
その矯正道具が
「何を目的に度数を合わせたものか」
が非常に重要となります。
 
ご自身の目が疲れやすいため、
ご質問をいただいたのでしょうか。
一般論としては、上記の通りですが、
ご自身が疲労を感じているのでしたら、
メガネ、コンタクトそれぞれ何をしたとき
目のどこが疲れるのかといった状況や経緯、
身体感覚を少し深く探ってみてください。
どちらが疲れにくいかはその結果次第です。

Q3:目の中に虫みたいなのが浮いて
見える病気を持っています。
これって治す方法とかありますか?

A3:こちらは眼科ではないので
病気に対する回答はできません。 
一般的によくあるのは、眼球の中の
浮遊物が光線の具合によってチラチラ見える
飛蚊症(症状)と言われることが多いようです。
気になるようでしたら、そして急に数が増えたり
大きくなったりした場合は眼科を受診してください。

Q4:目が茶色い人は将来的に目が悪くなると
聞いたのですが本当ですか?

A4:こちらの知る限りでは
そういった傾向はありません。

Q5:眼の筋肉の使い方に慣れ、可視範囲を
広げる為に使っていた透明の板に書いてある
数字の四角は何cm四方の長方形でしょうか。

A5:目標物間の距離 目安 
上下≒30cm/左右≒40cm /斜め≒50cm 
(注)全体のサイズは重要ではありません。
 
様々なトレーニングが流行っています。 
グッズを使いマニュアル的なトレーニングを
行うのも悪くはありませんが、
共通して言えることは、何のために行うのか、
どのような仕組みで能力が高まるのかを
理解して行うことが大切です。
そうすることで自ら工夫ができるようになり、
深い思考が身に付きます。
セミナーでお伝えした「日常がトレーニング」
ということを念頭に置いて取り組んでください。

Q6:少し左に顔を倒していた方が
真っ直ぐ立っているより楽です。
でもそれはバランスが悪いと思うのですが、
気にした方がいいですか?

A6:左右の目線の高さのずれが
出ているかもしれません。
セミナーで体験してもらった
高さのずれチェックはいかがでしたか?
体の傾きから目線がずれる場合と
目線のずれから体が傾く場合、
どちらが起因となっているかで
修正方法も違ってきます。
野球や学習における課題プレースタイルと
照らし合わせることで、気にしたほうが
よいかどうかの判断がつきます。
眼と体、両面からアプローチできる
トレーナーや整体師が身近にいれば
相談してみてください。
眼については大阪に来られる機会があれば
ご相談ください。
まずはバッティングやピッチングの構え、
フォームの問題、傾きによる結果(成績)
学習の姿勢と集中力など、自分の状態を
観察してみてください。

Q7:眼が原因と成って、あんなに多くの症状が
出る事を初めて知りました。眼球を動かすには、
上直筋、下直筋、内直筋、外直筋、上斜筋そして
下斜筋の6つが働いている事が分かりました。
眼窩底骨折をする事に因って上記の6つが
強ばったりする事はありますか?
もし、あればそれは時間と共に解れますか?

A7:眼窩底骨折による外眼筋の強張りや
使い方の変化はよく起こります。
目線のずれ(上下・左右)が発生することも
あります。当店でも何例か対応していますが、
時間とともに元に戻る場合と戻らない場合
両方あります。
ずれの向きが安定しているなら、両眼視機能を
整えるメガネ(両眼の向きを整えるプリズム度数)
によって能力を高めることができます。

Q8:視力がDで両目体操をして
Aに戻ることはあるんですか?

A8:両目体操とは、寄せ運動、眼球運動、
どの動きのことでしょうか?
寄せ運動
両眼の向きがあまりに外れている場合は
運動すると視力が上がる場合があります。
眼のタイプによっては低下することもあります。
視力がDでしたら、近くを見る力が強い可能性が
ありますので、寄せ運動をし過ぎるのは要注意。
遠くへ向ける運動(寄せ運動と反対)のほうが
効果的かもしれません。
眼球運動
視力低下の原因が、眼の動きの固さから
来ているのであれば、緊張がほぐれて
視力が出やすくなることがあります。
どちらにしても、視力低下の要素は
他に重要なものがあります。
詳しく眼を調べないと何とも言えないため、
このような回答になります。

 2019年の視力調査では
高校生67%が0.9以下、56%が0.6以下です。
視力は気になるところだと思いますが、
セミナーでお伝えしました眼の使い方
見方をキーワードに、学習や野球で
「みる」力の向上を目指してください。
Q9:自分は乱視で、左目と右目の視力の差が
大きいです。他校の方も言ってらっしゃいまし
たが、ボールとの距離感覚がつかみづらいの
ですがどうすれば良いのでしょうか。

A9:視力差は最終的に起こった現象です。
もともと手元の近い距離で目標物に
両目をそろえて向けることが苦手だったと
推測されます。
片目主体で近くを見ていると、そちらの眼が
先に視力が落ちる傾向があります。
片目があまりに落ちてくると追従して
もう片方も落ちてくる、というパターンを
繰り返します。そして、視力低下した眼に
メガネやコンタクトで矯正すると、
また近くを見るのが得意な方の眼を酷使し
視力低下をし、左右差が大きくなります。
差が起こったという現象を修正すると同時に、
差が出る目の使い方を変えることが重要です。
根本の修正をすることが、距離感(立体感、
奥行き感)を高めることにつながります。
そして乱視ということですが、セミナーで
お伝えしたように、乱視も最終的に起こった
現象です。視力差と同じ、そうなるような
眼の使い方をしていると考えてください。
乱視を起こすひとつに、角膜の形の偏りが
あります。眼の動かし方に偏りがあるとか、
寄せる力が強いといった眼の癖の問題です。

距離感をつかみやすくするには、
見方のスタイルを改善する必要があります。
こちらでよく提案することは、
見方を整える仕組みが入ったメガネの使用、
ブロックストリングというグッズを使い
 両眼を協調させるトレーニングです。

現場で簡単に試してみることとしては
ボールを強く見過ぎない睨まないことです。

どうすればよいかは、個人の目を見ないと
何とも言えません。この回答の中に少しでも
ヒントになることがあれば幸いです。

以上

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身体ケアとの連携

両眼視機能が不安定になると、見え方だけではなく
身体の歪みやコリなどを引き起こします。
逆に、身体の歪みやずれによって、両眼視機能が
狂わされている場合もあります。

当店でも多いのですが、身体との関係が強い場合は
整体師や鍼灸師をはじめ、身体のケアをする方たちと
協力して眼をケアしていきます。
眼と身体のつながりに理解が深い東洋医学や
ボディーケアの方々も増えています。

眼は眼だけ(近視や乱視、視力を良くする)といった
部分を見て、重箱のすみをつつくような度数設定や、
視力の上下に一喜一憂する時代ではないと思います。

眼と身体と心をつなげた視点で、メガネ作りや
アドバイスを行える眼鏡店や施設が増えることを
願ってやみません。

ドライアイ

近年はドライアイをはじめ、眼の不快感を訴えたりする人が
増加しています。ドライアイの原因は、涙が出にくく乾き
やすいためと言われています。しかし、涙が出にくいのは
現象であって原因ではありません。

また、まばたきを増やしたり目薬をさしたりするのも、
対処法のひとつではありますが、根本の解決ではありません。
特に、まばたきに関しては、したくても出来ない理由があります。

多くの人は、まばたきをするたびに集中力が途切れます。
左右ふたつの眼を、ひとつの目標に向けることで集中が
保たれるのですが、まばたきの瞬間、両眼の向きが乱れ、
集中をし直さなくてはいけなくなります。
そのため、まばたきをせずに見つめ続けることになります。
それを体感してもらうために、
以下のことを試してみてください。

その場でパソコンの画面や本を見ながら、
眼の表面が涙で潤うような瞬きをします。
まばたきの瞬間、直後にピントのボヤケを感じませんか?
感じる場合は集中力が途切れていることになります。

これは両眼の視線の向きやピント合わせがずれるために
起こる現象です。 特にハードコンタクトレンズでは顕著です。
ハードコンタクトの人で、ずれや集中の途切れを感じにくい
場合は、脳が見えているものを無視し、身体のストレスも
抑え込んでいる可能性があります。

まばたきによる集中力の途切れ
まばたきが減る
涙の出が悪い
眼が乾く ドライアイ

 

IT化された今の時代、人類が培ってきた
眼の使い方からは大きく変化しています。
人類の歴史からみると、手元の小さな文字を
何時間も見続ける眼の使い方は、最近始まった
ところです。近くを長時間見続けるようには
出来上がっていない眼に、現代の作業をさせる
ものですから、今まで通りにいかないことは
当たり前です。視力低下もそのひとつと言えます。

見ることは脳と強い結びつきがあり、
はっきりくっきり見えることを優先しがちです。
それが過剰になると、
視力優先の見方=頭脳が勝った見方身体を忘れた見方
になります。はっきり見えるこをと求め過ぎて、
心身の病気を起こしていると推測される例も
少なくありません。しかし、眼に関する情報は、
視力回復や老眼、眼病についてがほとんどです。
眼の病気についても、起こった現象の後追いが
目立ちます。もちろん対処は必要なことですが、
同時並行で、今の状態になった根本を取り除く
方法を提案することも、眼やメガネの業務に
携わる者には大きな課題となります。

現状に対処しながら、なぜそれが起こったか、
起こらないための方法はないか、今を続けると
何が起こるかといった、過去を推測し未来を予測する、
予防を重点にした検査とメガネ作成が必須となる
時代が来ていると思います。

子供の視覚環境

現在の生活環境は、幼児の頃から勉強やテレビ、
パソコン、スマホ、タブレットなど、平面の中での
眼使いがほとんどです。
テレビで山を背景にした人物の映像を見ても、
眼の焦点は画面に固定されたままです。
現実の世界は、自分の意思を伴い、山や人物に
焦点を移したり、周りの状況を把握したり、
三次元的な目の運動が必要です。

現在の視覚環境では、人間が本来備えている
空間認識能力がどんどん低下しています。
これは、日常生活の中でのケガや事故といった
生命の危険性にも関わります。
 
IT化される前の時代の子供は、
眼の能力が身に付くチャンスに恵まれていました。
石ころのある河原を走り回ったり、コマやビー玉、
竹馬など、視覚機能と身体が一致するような遊びが
自然と行われていました。スポーツも、あえて
どこかに通わなくても、公園などでボール遊びを
することができました。
しかし現代は、それが難しい環境です。
子供にとっては、身体と結びついた視覚能力を
身に付けるには厳しい時代と言えます。

「周りが見える眼」「奥行きを感じる眼」
「見えない物が見える眼」などは
社会性のある眼と言えます。このような視覚能力を
身につけるために 球技は最適なものの一つだと思います。
昔からある行儀作法もそのひとつでしょう。
野球やサッカーの球技だけではなく、身体を動かす
ことに参加するのは、眼の能力を高めるひとつです。

スポーツをしている人すべてが、一流選手になれる
わけではありませんが、スポーツを通じて、物の見方や
眼の使い方を身につけることは、今の社会環境を見ると
とても大切なことだと思います。

近くを見るストレス・老眼・プロテクトメガネ

 年齢による筋力低下で調節筋が働きにくくなり、
手元にピントが合いにくくなる現象が老眼です。
誰もがいつまでも若い体力を持ち続けたいと願うものです。
しかし残念なことに30歳台から起こる筋力の低下は
避けることができません。これは自然の摂理です。
眼も身体の筋肉と同じように低下してきます。
おまけに、近年はIT化により、若いとき以上に
近くを見ることが増え緊張をしいられます。
特に遠方が良く見えている眼には メガネやコンタクトで
矯正した状態も含め より強い緊張がかかります。

 老眼の初期の頃は、寄り眼をしたり力を込めて
見つめたりすればピントが合って見えてきます。
よくあるのですが、このような頑張った見方をして
老眼が治ったという話があります。
自分の眼で見えると誰でも嬉しいとは思います。
しかし、この状態は、「見えて」はいますが、
調節筋と外眼筋に過剰な緊張がかかっています。
決して楽に見えているわけではありません。
自覚があろうが無かろうが、力んで見えているのです。
その力みは、眼の圧を高めたり眼球の歪みを
発生させたりします。
35歳頃から近視や乱視になり、遠方視力が低下
してきた人には、このタイプが多くみうけられます。

 10~20代のときは、眼球を構成する生体に弾力性が
あるためストレスを吸収しますが、30歳代からは硬化
しはじめます。硬化した眼球にストレスがかかると、
眼精疲労や肩コリ、血圧の変化、自律神経の乱れ
などを引き起こす場合があります。西洋医学的には
加齢や原因不明であって、眼の使い方や見方は
否定されると思いますが、経験上、力んだ見方を
している人に、心身の不具合を訴える人が多いのです。
時には網膜の弱い部分にストレスが集まり
ダメージを与えたのではと推測される例も多くあります。

近くが見えにくくなったから老眼鏡を使うのではなく、
年齢に関係なく、楽な集中で見えるかどうかを目安に
することが大切です。眼や身体の健康を守る道具として
「プロテクトレンズ」のご使用をお薦めします。
  プロテクトメガネ 視覚情報センター造語 
パソコンや読み書きなどのデスクワーク作業に用います。
遠方視力の良い人はもちろん、コンタクトを使っている人も
その上から使用します。また、子供の近視予防にも用います。
▶ ピント合わせの度数 いわゆる近視・遠視・乱視の度数 
        +プリズム度数 両眼を楽に向け集中しやすい仕組み
両方の度数を組みあわえたメガネになります。
レーシック手術後の眼のケア、学習用、老眼世代ではない
社会人のデスクワーク用など、近方作業の疲労から起こる
肩コリや頭痛の軽減、視力低下の防止や集中力の向上が目的です。

 

スポーツビジョン検査

車に乗るときタイヤの空気が抜けているのでは、
運転技術が高いドライバーでも上手く走ることはできません。
当センターのスポーツビジョンは、例えるなら、車体の整備を
して、その上でドライバーの技を高めるような方法です。
整備とテクニックは、相乗効果の部分もありますので、
どちらか一方を触ったら一緒に高まる場合もあります。

マニュアルはありませんが、眼や体の感覚で
「こういう感じだろうか」と気付いてもらえるよう、
様々な方法を使いお伝えします。
 
 眼と体の安定
 眼の錯覚による身体の変化
 眼に映らないものから見えてくるもの
頭の理解ではなく実感できる方法を用い
アドバイスしていきます。


ビジョンメンタルチャート
物の見方には、一点に集中する使い方や、広く浅く見る
使い方などがあります。どちらかが得意であったり苦手で
あったりは人によって様々です。機能そのものがそうで
あったり、意識によって作り上げられている場合もあります。

スポーツや仕事内容によって適切な能力は違ってきますが、
個々の場面で能力が発揮できるように、自分の見方の特性を
知り、より高いパフォーマンスにつなげるために、
外の眼と内の眼の関係性を図式化した、視覚情報センター
オリジナルのチャートを作成してアドバイスします。
一点集中か分散か、注意力の巾が広いか、狭く集中するのか、
主観的、客観的どちらの見方かなど、どのタイプが良い悪い
というのではなく、自分の特性を知るためのものです。

チャートの例

この例では、外の眼は絞り込んだ狭い集中ができています。
しかし内の眼(見る意識)は眼の前の現象から離れていく
傾向があります。

ポジションによっては、この見方だからこそ高いパフォー
マンスにつながっていることもありますし、逆に、集中を
欠いたミスにつながりやすいという欠点として現れていたりと、
一概に良し悪しは決まっていません。パフォーマンスや日常
生活の中で問題点がある場合には、眼から改善を目指します。



基礎視覚能力
静止視力/瞬間視/利き目/調節力
両眼視機能(輻輳・開散力・眼位)など

眼球運動

ただ眼が動くのではなく、内面と身体を伴なって、
統合した動きができているか。
時には、眼を動かさないで見る見方も必要なので、
両方ができるかどうか、などを含めた眼の動きを調べます。

応用視覚検査

 周辺視での反応/中心視での判断反応/
 瞬間視/追跡視/など

主に、眼で見て身体を反応させる反応テストになります。
一般によく知らていて、スポーツビジョンというものの
イメージが強いのがこの部分かもしれません。
ゲーム的な要素もあるので、メディア受けも良いようで、
いかにも眼の能力を高めるかのような情報を流しがちです。

何度も書きますが、これはあくまでも反応テストであって、
この数値が高いことと、パフォーマンスの高さはイコール
ではありません。

両眼視機能をはじめ視覚能力の基礎に対するアドバイスと、
身体と心とのつながりに対するアドバイスがあるかどうかを
基準に、スポーツビジョンやビジョントレーニングを
受けるようにしてください。

スポーツビジョン現状

スポーツビジョン能力測定が知られつつありますが、
機器を使った検査で数値を出し良い悪いを判断する
健康診断ようなものが目立つのが現状です。
数値のための測定では何の意味もありません。
同時に、能力測定がスポーツビジョンではありません。

トレーニングもありますが、リハビリ的なものが多く、
個々の見方の癖や、眼の状態に適合しない内容を
やみくもに行っているのも目立ちます。

視覚を物差しに、メンタルやテクニック、フィジカルなどを
分析判断し、パフォーマンスの向上に生かしたり 改善の
アドバイスにつなげることが重要です。

例えばテニスの場合、眼の使い方でレイトヒットの修正ができたり、
非力な人でもオーバスピンが打てたりすることがあるのです。
野球で言えば、肩の開きが早い投手を眼の使い方で改善する
こともできます。

レーシック(近視回復手術)後の不調

 近年、手術が手軽になったこともあり、視力回復手術を
受ける人が増えてきました。それにともない、手術後に眼の
疲労や肩首のコリ、頭痛などの苦痛を訴える人も増えています。
再び視力低下を起こす人も少なくありません。せっかく自分の眼で
遠くが見える喜びを手に入れても、眼や体に新たな不調を抱えて
生活するのでは、喜びも半減してしまいます。

視覚情報センターでは元々、視力が良い状態でも、眼や身体の
不調に対する検査やアドバイスを行いメガネを作成しています。
レーシック手術が増えてからは、苦痛を訴える人が一層
多くなっています。身体の症状だけではなく、精神的に
不安定になる方も少なくありません。

手術を後悔していてもはじまりませんし、眼を楽にする方法は
ありますので、検査後には、この先に健康に生活するための
提案をさせていただきます。

 レーシックでの不調の例  
・頭痛 肩こり 首、背中の痛み(筋肉の痛み)
・耳鳴り ・不定愁訴 ・疲れ(特にデスクワークでは顕著)
・視力低下 ・視力不安定  ・精神不安定


 手術にしてもメガネやコンタクトにしても、遠くの視力を
重視した対処のため、肩コリや疲れなどの不調、視力低下の
繰り返しは起こって当然です。人間の眼(みる)は、視力だけ
ではなく心や身体が関係してきます。
ご自身の眼の状態を知り、近視や乱視とはどのような状態か、
なぜ近視になったのか、近視は本当に悪い眼か、
視力を優先することの副作用はないのか、などを
よく検討したうえで視力矯正を選択していただきたいと思います。

一般的なメガネやコンタクト(視力矯正)やレーシック
手術は、遠くのものが見えにくい、つまり、遠方の
裸眼視力が低下したという現象の改善を目指すだけで、
原因を解決するわけではありません。
視力を戻しただけでは同じことを繰り返すのではないでしょうか。
 
視点を変えてみてください。
誰にでも良い視力の時期があったはずです。
そして、視力が良いことに何か不都合があったから
視力が落ちたとも言えます。レーシックに限らず、メガネやコンタクトも
同じです。ただ、メガネやコンタクトの場合、不調を感じたときには、
外すか使用を中止すれば一時的に逃れることが出来ます。
しかし手術の場合はどうしようもありません。
不調を抱え続け体に緊張を溜め込んでいきます。
そのうえ、近くを見るストレスからのがれるため、眼に圧をかけ
眼球が変化すると再び視力低下を起こしていきます。

子供の頃は成長期で眼球の変形も起こりやすいため、
手術をしても進む確率が高くなります。 大人になると
眼球の弾力性も減り変形しにくくなるため、近視や乱視が
進みにくくなります。そのため、レーシックは18歳以上と
している病院が多いようです。ただ、大人の場合、眼球の
変形は起こりにくいのですが、眼を締め付ける圧迫はかかり
続けますので、身体のコリなどにつながっていきます。

 自分の眼で見えた喜びと引き換えに
見落としがちな身体のストレス 

レーシックでは、手術後の視力低下を起こしにくくするため
過矯正になっていることがよくあります。そのため遠方を
見ているときでも筋肉の緊張は高く、近くを見るときには
さらに過剰な緊張を強いられます。
人によっては、最初のうちに訴えていた不調も、そのうち
麻痺し感じなくなっていきます。体からは「緊張の限界」
の信号が出ているのですが無視して頑張ってしまいます。
年齢を重ねると、眼の組織がもろくなっているため、
眼の中の圧力が高まると弱いところが打撃を受けます。
過矯正      
網膜の後方に焦点が結ばれる
  (遠視)の状態


 術後の対処
このような症状が起こっている人、そして症状が出て
いない人にも、眼と身体の健康を守る術後のケアの
ひとつとして、予防にもつながるプロテクトメガネを
お勧めしています。

老眼は人間らしい眼

誰もが、いつまでも若い体力を持ち続けたいと願うものです。
しかし残念ながら、30歳台から起こる筋力の低下は避けることができません。
物を見ることも、眼の筋肉を使っているため、同じことが言えます。
特に遠くが良く見える人(メガネやコンタクトレンズで矯正した
状態の人)が近くを見ることには、筋肉の緊張が強く要求されます。
筋力が老化してくると、手元が見えにくくなって当然なのです。

人類の数百万年の歴史から見ると、パソコンや新聞、書類など、
手元の小さな文字を見続ける生活は、たかだか数百年です。

基本的に人間の眼は
近くの小さなものを
長時間見るようには作られていません。

水や食物については、人に優しい環境問題や自然食を訴えている
時代です。しかし、視覚の環境も、文明の変化によって強いスト
レスを強いられている状況だということを、忘れてはいけません。

老眼になっていくことは、最も自然な状態と言えます。
それなのに、目薬を指したり栄養剤を飲んだり、
幾つになっても手元が見えることが若さの証明の如く
眉間にシワを寄せて視覚ストレスに立ち向かうのは、
近視や乱視の発生を招くだけでなく
身体の健康を損ないかねません。

新しい文明のストレスから眼を守るためには、
文明の利器である老眼鏡を使うことが良いでしょう。
勿論、この場合のメガネも、ただ「よく見える」だけでなく、
筋力のストレス度いを測定し、カラダに楽で脳に早く伝わるメガネ
を選ぶことです。

老眼鏡という名前は楽しくありませんが、少し考えてみて下さい。
外界の情報を入力したいという好奇心や知識欲が
「脳の中を若くする」と考えれば、老眼鏡は決して老いではなく
『若さを手に入れる道具』として楽しめるのではないでしょうか。